Dear Friends

DF 44 テレパシーは厄介なもの

2006年12月

親愛なる友よ、

テレパシーとは、なかなか難しいものだ。

オッケー、じゃあ僕の心の中に入ってきてごらん。

まずリラックスして。ここからは君と僕と対話しながらのトリップになるんだけど、なんか無口だね? いや分かるよ、その気持ち。でも何も要求しないし、何か起こったら僕のせいにしてくれていいから。僕のことをどう思ってくれてもいい、何とでも決めつけてくれ。何でもいいから比較のポイントを見つけて、こいつより俺の方が上だぞと思ってくれていい。共感してくれるのもオッケー。それじゃそろそろ始めようか? そうそう、いい感じ!!

あっ、ちょっと待った。いや大したことじゃないんだけど、これは連帯責任だからね。僕は受け身で、ただ扉を開けるだけ。でも君が足を踏み込んで中に入ってきたら、まさにその瞬間、僕達は1つになるんだ。「僕達」すなわち君の全て、そして僕と、僕の仲間のごろつき・ならず者・反逆者株式会社全員だ。パーティーに1人で行くのと同じで、溶け込めるまでちょっと時間がかかるかもしれない。

もしかしたら君は覗き趣味があるかもしれない。別にいいよ、僕もそうだから。僕は露出趣味もあるんで、行ったり来たり、この足は結構忙しい。

足といえばそうそう、この酷使に耐え続ける僕の足。いや、これは僕としたことが、なんてぞんざいな言い方を。失礼いたしました。差別主義者と思われても仕方ないですね。なんだってこんな足があるんだか、本当にどうもすみません!

きちんと整った社会に対応するように、僕の足もすぐにデジタル化しなくては。僕の足(もしくはこの場合君の足もだが、その話はまた後で)が勝手に歩き回り始めたらこの世界は滅亡するだろうと、無気力で満たされ、決して煮立つことのないぬるーい鍋の中で、無関心の直腸の奥深く隠れ、過敏性腸症候群に病む睫毛をいじっては日々を暮らす、連合の主たちは言っている。直腸? そんな物とっくにメチャクチャにしてやったけど、連中は気付きもしなかったよ!

というか、そこが問題なんだよな。

イングランド北西部(マンチェスター出身だったかな、いやマンチェスターから男が出たらチェスターだな)のある若い紳士がマルチ通貨バンド [注1] を結成しようとしているらしい。素晴らしいアイディアだよ。各メンバーがそれぞれの文化を持ち寄ってくれば、音楽的にもすごく面白いものになるかも/なるだろう。で、歌詞の方は? これはなかなかのチャレンジだ。もし預言者とか、いや天地創造とか、もしくは(恐れ多くも)彼女、すなわち神そのものについての歌詞を書くことになったら、それこそ面倒なことになりそうだ。人類とは人それぞれ違う、複雑なものだからこそ面白いのだという事実を忘れなければ、どこでも通用するだろうけど。

すごいよ! ヒンズー教の国でクリスマス・キャロルを聴いちゃったよ! 僕の訪れた街バンガロールでは、空港その他の目的地に向かう車の列が、まるで水のようにスイスイ流れる道路沿いの露天で、サンタクロースの帽子がたくさん売られていた。微笑みは今でもクールだし、オープンな態度が尊敬されるインド、実に素晴らしい国だ。

さて休暇の時期が来た。僕は陽の溢れるオーストラリアの海岸で家族と一緒に1ヶ月過ごしているところだ。海に飛び込んだり泳いだり、ウォーキングに出かけたり、ムシャムシャ食ったり、昼寝したり、酒を飲んだり、煙草吸ったり、口笛吹いたり、ダイビングしたり、ダラダラしたり、車でどこかに出かけたり、写真を撮ったり、露出行為をしてみたり、ヨーデルを歌ってみたり、舟で海に出たり、おしゃべりしたり、カヤックに乗ったり、バックパッキングの旅に出たり、そしてもちろん執筆したりして過ごす予定だ。

君はまだ予定決めてないって?

それでもいいよ、とにかくいい休日を。そして2007年はみんなとそのご家族に、更なる健康と幸せをもたらしてくれるだろうことを祈っている。

チアーズ、そしてみんなに乾杯!

Ian Gillan

Copyright © Ian Gillan 2006

訳者注:
[1] Multi-denominational は「マルチ通貨(ユーロ)の」だが、「マルチ宗教」の意もあり。

return to DF index
 に戻る